2700km/95708km ウシュアイア-ドレーク海峡-アイチョー島(37カ国、地域目 南極)-デセプション島-デコ島-南極半島ネコハーバー-イギリス基地ポートロックロイ-ピーターマン島-ウクライナ基地-クーバービル島-ドレーク海峡-ウシュアイア
2006年5月18日に日本を出た自分は今までユーラシア大陸、アフリカ大陸、そして南米大陸を周って南米の最南端までたどり着きました。
ここで1年9ヶ月に及ぶ旅が1つのクライマックスを迎えます。
日本を出る時、漠然と南極に行けたらいいなと思っていました。
ウシュアイアに来て旅行会社を周っている時南極ツァーのポスターがたくさん貼ってありました。しかし費用は自分が思っていたのよりもかなり高いものでした。でもこの機会を逃したらもしかしたらもう一生こんなチャンスはないと思えたのです。そしてついに4つ目の大陸、南極大陸を目指すことに決めました。
南極。日本から時間的に一番遠い場所。世界で5番目に大きく唯一紛争が起きたことがない平和な大陸。面積は1400万平方キロ(日本の38倍)で95%が氷でできている。そのため冬は面積が2倍になる。世界中の淡水の70%をこの氷が占めている。などちょっと聞いただけでもどんな島なんだろうと興味津々です。
南極ツァーは大きく分けて2種類あります。まず乗員乗客2000人程の超大型の客船で行くクルーズツァー、こちらは設備も豪華で船もあまり揺れないので快適な旅ができる。正装してのディナーパーティーまであるそうだ。しかし船が大きいので南極地域で行ける場所が限られる上、上陸はしないんだそうだ。
そしてもうひとつが100人程度の中型の船で行く冒険ツァー。こちらは設備はそこそこで揺れも相当激しいらしい。しかし小回りがきいて砕氷機能も備えているのであちこちに行って上陸し探検する、正に冒険ツァーだと言うのだ。
地球発見の旅としては後者がぴったりだと思って選びました。
2008年2月27日午後5時、乗客乗員76名を乗せたロシア船籍の海洋調査船アカデミック・ショカルスキー号はウシュアイア港を出発した。
桟橋には大型クルーズ船の姿も見えた。
全長65.90m、幅12.80m、深さ4.50m、重量1753トン、3076馬力、砕氷能力あり、砕氷速度毎時10ノット。船内にはキャビンと呼ばれる客室や食堂、シャワーや講義室などの他にサウナやバーもある。
先日パタゴニアで乗った船と同様操縦室には自由に入ることができる。
船は間もなくドレーク海峡にさしかかる。この海峡はいつも荒れていてかなりの揺れを覚悟しなくてはならない。しかも通り過ぎるのにほぼ2日かかる。あらかじめ聞いてはいたがさすがにすごい揺れだ。リーダーの話だと彼が今まで73回南極に行った最高の揺れを10ポイントだとすると今日のは3ポイントだそうだ。そう考えると安心する。しかし睡眠中も食事中も揺れは容赦なくやってくる。夜中にベッドから転がり落ちて頭を打った女性がいた。またほとんどの人が船酔いにかかり食事の度に人が減ってきた。自分も途中から胃袋を前後左右上下にシェイクされた感じで辛かった。
3日目に入ってすぐの真夜中、船は北から流れ込む温かい水と南極から流れ出る冷たい水が交わる海域を通過した。ここから先は水温も気温も一気に7、8度下がるそうだ。試しにデッキに出てみると確かにさっきまでよりもぐっと涼しい、いや冷たい。南極が近づいてきたのを実感する。それから間もなく海は穏やかになってきた。
昼食後にふと外を見ると何か白い物が浮かんでいる、氷山だ!白や青味がかった白をしたいろんな形の氷山が次々と通り越していく、美しい。
夕方になって南シェトランド諸島にあるアイチョー島に初上陸した。
上陸にはゾディアックというゴムボートに乗る。
そこではたくさんのペンギンが出迎えてくれた。その格好、仕草のかわいいこと。ずっと見入ってしまった。
さてそれからは周辺の南極各地を周った。天候が悪くて1日外に出られない日もあった。
こちらは デセプション島にある世界最南端で湧き出る温泉。海パン1丁で氷が浮かぶ南極海に飛び込んだ後で湯船に浸かりました。これはもう気持ちいいの局地です。本当に極楽のようでした。
そして3月3日、ついに南極大陸にある南極半島に上陸しました。この日は朝から雲ひとつない快晴でその景色は素晴らしいものでした。”飛び出せ☆”のサインを作ってかざしてみました。この長い旅行の節目を迎えたという気がしました。
南極で見た動物、ジェンツーペンギン、アゴヒゲペンギン、アデリーペンギン、ヒョウアザラシ、南極ゾウアザラシ、ナガスクジラ、ミンククジラ、各種の鳥。こんなにたくさんの珍しい動物を見ることができて満足です。
これはアザラシに食べられたペンギンの残骸です。ここにも弱肉強食の厳しい自然がありました。
またここでの食事はすごい。昼食と夕食にはスープ、サラダにメインとデザートといったフルコースがテーブルでサービスされるのだ。バックパッカーがこんな豪華な食事を毎日していていいのだろうかという疑問を持ちながらもたくさん食べる毎日なのでした。その一方で運動はほとんどしないので身体が一回り、二回り大きくなってしまったようです(汗)
また今回南極にあるイギリスとウクライナの観測基地を見学させてもらった。イギリスの基地の周りにはたくさんのペンギンがいた。基地の人の話ではこのペンギンに去年のクリスマスイブの日12月24日に初めてのヒナが誕生したんだそうだ。それはそれは可愛かったそうだ。
ウクライナの観測基地には東京まで16,411キロと書いてあった。彼らは過酷な生活に耐えながら熱心に研究を続けている。
近年オゾンホールが問題になっているオゾン層の様子もずっと観測しているそうだ。これがそのための装置。
息抜きはこちらの世界最南端バーで。ウクライナ人スタッフに習ってウォッカをショットで一気飲みしたら強い~~。体中カーッとなりました。
またこれは南極の氷で作ったオン・ザ・ロック。ゆっくりと手で温めると、パキーン、パチパチっとはじける音がします。そして1万年前に閉じこめられた空気が出てくるのです。その頃の南極や世界はどんなだったんだろうと思いをはせるとロマンを感じます。
こうしていろんなことがあった6日間の南極滞在もあっと言う間に終わり我々はまた2日かけてウシュアイアまで戻っていったのです。帰りのドレーク海峡は7ポイントともっと大荒れでした。薬を飲んでベッドで横になってひたすら耐えていました。
そして無事に帰還、下船。
安全に船を運航してくれたロシア人クルー達、おいしい食事や快適な部屋を提供してくれた世話係、
そして冒険家のリーダーを始めとして動物学者、クジラ研究家、医師などが集まった冒険サポートチーム、皆さんには大変お世話になりました。また船内で知り合った各国からの参加者達、楽しい時を過ごさせてもらいました。みんなとの感激の別れです。
この南極は今回の旅の中でも特別でした。何か1つのことを達成した満足感で一杯でした。これでもうこの旅を終わりにしてもいい、そう思える位でした。とは言え南米の旅はまだまだ続く予定です。これからもよろしくお願いします。
ありがとう、みんな。ありがとう、動物達。ありがとう、南極。
尚、今回アップした写真は自分で撮影したものの他にツァーで一緒になった人が撮影したものも半数足らず含まれています。ご了承ください。
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