アジア編76 満月のタージ・マハル 2006/11/4-11/6
196km/19874km ニューデリー-アーグラー-タージ・マハル-アーグラー城-アーグラー ニューデリーから電車に乗って200キロほどの所にあるアーグラーに行きました。ここにはかの有名なタージ・マハルがあります。自分はここに来るまでこれは寺院か宮殿だと思っていました。実はそうではなくてムガル帝国第5代皇帝シャー・ジャハーンの王妃ムムターズ・マハルの巨大な墓なのだそうです。
今回はこの世界的にも稀にみる美しさと言われるタージ・マハルを眺めそこに隠された歴史の一幕を辿ってみたいと思います。
まずは日中のタージ・マハルを見に行きました。初めて見るそれは遠くからでもはっきりと目に映り白亜の巨大な建物の美しさに呆然としました。近づいて行くにつれその美しさはますます輝きただただ黙って眺めているのみでした。
建物の周りをぐるっと1周してみました。どの方向から見ても全く同じに見える不思議な建物です。そして中にはシャー・ジャハーンとムムターズ・マハルが眠っている棺桶が安置されています。シャー・ジャハーンがどれほどムムターズ・マハルを愛していたかを文字通り生涯をかけて表現したのがこのタージ・マハルなんです。
ところが皇帝シャー・ジャハーンがあまりにもこのタージ・マハルに注力したためにムガル帝国は傾いてしまったそうです。その為自分の実の息子によって皇帝の座から降ろされアーグラー城の1室に幽閉されてしまったのです。
囚われの塔と呼ばれるその城の1室からは遠くにタージ・マハルを眺めることができます。
シャー・ジャハーンは多分このように格子窓の間から見えるタージ・マハルを毎日眺めてはムムターズ・マハルのこと、そしてその対岸に作るつもりだった自分の墓である黒いタージのことを想い浮かべていたのでしょう。そして彼は7年後にこの部屋で最後を迎えたそうです。ここにひとつの壮大な愛の物語があるのでした。
11月5日、それは満月の夜です。満月とその前後計5日間のみ入場を許されるという夜のタージ・マハルにやってきました。夜20時から24時まで30分区切りで1回50人限定30分限りという条件で入場が許可されます。入場券は前日までに申し込まなければなりません。集合場所の東門からバスで別の場所に移動し、そこで身体チェックの上カメラ以外の所持品(バッグ、三脚、予備バッテリーなど全て)をロッカーに預けます。かなり厳重な警備です。それからまた東門まで戻ってきて入場待ちをします。そして自分の時間20時30分ちょうどに門が開きました。たくさんの警備兵に付き添われながら中に入って行きます。歩くのは速過ぎても遅過ぎてもいけません。しばらく歩いてさらに正門の扉が開くと、、、
遠くの方に何か見えます。満月とはいえ照明が何もないのでほぼ真っ暗です。しばらくして目が慣れてくると正面にうっすらと浮かび上がってきました。全く静かな空間に全く静かにしかし確かな存在感で佇んでいます。
写真を撮ろうと何回かシャッターを押したのですがあまりにも暗くて写りません。そこで星を撮る時と同じ要領でカメラを地面に置いて固定しシャッターを15、30、60秒と開放して撮ってみました。宿に帰るまで結果はわかりませんでしたが60秒のものがこのような写真になりました。
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コメント
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満月のタージ・マハル、幻想的で素敵でした。ま、考え方は人それぞれですが、女冥利につきるってとこですかね。そこまで愛されると。下の子の幼稚園のこととか、引越しのこととかで随分ご無沙汰していたら、インドにいたのねぇ。これからも心がわくわくする旅、続けてね。でも、体には気をつけて。
投稿: KINO-Q | 2006年11月10日 (金) 23時38分
KINO-Qさん、
うん。お金をかければいいってものじゃないかもしれないけどこれが彼流の最高の愛情表現だったんでしょうね。
ありがとう。KINO-Qも元気で過ごしてね。
投稿: YOSHI | 2006年11月12日 (日) 17時19分