起業編3 物件探し
2008年9月
加盟してまずやらなくてはならないこと。それはお店を出店する場所を探すことです。
この場所を探すに当たってひとつ忘れてはならないことがありました。
それは開店の為の初期投資金額を少しでも安く抑える為に居抜き物件を探すことです。居抜きというのは前にその場所で別のお店が営業していてそのお店が廃業することになった場合そのお店の内装や厨房器具などをそのまま譲り受けて新しいお店を開くことです。
これを利用することによって全く何もない状態(スケルトンと言います)から作るよりも格段に初期投資金額を削減できるのです。
このように居抜き物件には大きな利点があるのですがその反面マイナス面もあります。それはちょうどいいタイミングで自分のお店に合ったような立地場所、サイズ、間取り、設備のお店を見つけるのが大変難しいということです。
自分はお店を開く場所としてここがいいと思っていた場所がありました。それは吉祥寺です。その理由として①自宅から近いので通うのが便利、②東京23区外なのでFC加盟料が割安(加盟当時)、③23区外なのに人気があり大きくて人口も多く商圏が広い。これらの理由からこの場所に居抜き物件が出てくれればいいなぁと思っていました。
しかし、、、そう簡単に物事は進んで行ってはくれません。吉祥寺には待てども待てども物件は出て来ませんでした。
最初に出たのが調布でした。調布も自分にとっては先ほどの条件にほとんどあてはまるので見に行くことにしました。しかしここは条件が折り合わずに結局あきらめることになりました。
2008年10月
ついに吉祥寺に物件が出ました。さっそく本部の人と一緒に見に行くことにしました。すると吉祥寺の中心部にあり広さもちょうどいい位だったのです。ところが現在営業中の定食屋さんがあまりコストをかけずに開業したらしく店の状態がよくありません。これではほとんど作り直さないと使い物にはならないのです。しかも店はビルの2階でそれがとても目立ちにくい場所でした。そして決定的なのがその賃料の高さでした。吉祥寺は人気の町なので23区外とは言え非常に高い賃料なのでした。これではとても歯が立ちません。
吉祥寺だけを探していたのではいつになったら見つかるかわからないので他の場所も同時に探すことにしました。
次に見つかったのが横浜の綱島という場所です。東京や横浜の中心からは離れた住宅街の町ですがその分賃料も安く駅から近い物件が見つかりました。しかも前にやっていたのはしゃぶしゃぶ屋で店内の設備はかなりそのまま使える感じです。ここはいいかなと話を進めようとしたのですがここもあいにく条件が折り合わずにあきらめることになりました。
八王子といろんな物件を見て回りました。同時に居抜き物件を紹介しているいくつかのサイトも毎日チェックして探し続けました。
そんな中で出てきたのが綾瀬の物件でした。
綾瀬と言っても神奈川県綾瀬市ではなくて東京都足立区綾瀬です。
さっそく見に行ってみました。千代田線綾瀬駅の西口の改札を出て右側の表通りに面した出口を出たら左側に歩いてほんの数十秒の所です。この辺りは千代田線が高架になっていてその高架下にありました。前には海鮮居酒屋が営業していて店内の造りも綺麗です。ここはかなりいい条件だと思いました。
ただこの綾瀬と言う場所に今まで縁がなかったのでそれから昼夜何回となくここを訪れてはどんな場所なのか?どんな人達が住んでいるのか?を見て回りました。
それでわかったことは、
①ここは住宅街で自転車やバスでこの駅まで来る人を含めてかなりたくさんの人がこのエリアに住んでいる。
②物販店や飲食店も結構たくさんあり中にはとても繁盛している店もある。
③近くには筑波エキスプレスの青井と言う駅や東武伊勢崎線の五反野や小菅と言う駅も隣接しておりそちらも含めて広域の商圏を形成している。
④中国系の人がかなりたくさん住んでいる。
これはお店をやるいい条件が揃っていると思いました。
そこで本部を通して話を進めてくれるように頼んだのです。
しばらくして本部から連絡がありました。さっそく問題発生です。
この物件の持ち主は東京メトロさんなのですが基本的に個人には貸さないということなんです。うわーショック。そう言われてしまうともう自分にはどうしようもありません。
仕方なしにあきらめようとしました。
しかしそこで本部が助っ人になってくれたのです。本部が東京メトロさんから借りてそれを転貸と言う形でこちらに貸してくれると言うのです。これはもう願ってもないチャンスでした。さっそくそれをお願いしました。それでも人気の物件らしく他にも引き合いが来ていて実際に借りられるかどうかがわかるまでにはしばらく時間がかかるらしいのです。でもこちらにできるのは待つことのみです。これはもう運を天にまかせるしかありませんでした。
しかしその待っている間にも自分にはやらなければならないことがありました。資金計画を練ることです。ここで店を開くとだいたいいくら位かかると言うのはわかりました。しかし手持ちの資金だけでは全く足りません。そこであちこち金策に走り回ることになりました。
ここで大きな葛藤がありました。自分が当初ラーメン屋を始めたいと思った時は自己資金で始められる位の小規模な店を想定していたのです。ところが規模が小さい物はライバルが多くて競争も激しくとても太刀打できるとは思えなかったのです。そして段々話は大きくなっていき、ついにここまで来てしまいました。ここで一発勝負に出るか、それとももっと規模が小さい店を探すかの決断を下さなくてはなりませんでした。
そこで自分が出した決断とは??
2008年12月
人生最大の賭けをしてみよう!ということでした。飲食業はギャンブルだと言われますがまさにその通りだと思います。自分も気がつけば48歳、ここで一発勝負してみようと言う気になったんです。
さてそれからは金策に躍起になってました。世の中はリーマン・ブラザーズの破綻に代表される世界不況に突入したばかり。こんな大変な時期に新規開業なんてできるのだろうか?そもそもしてもいいのだろうか?と言う疑問に悩まされつつも前進していきました。
まずは政府系金融機関である日本政策金融公庫(旧国民金融公庫)に行きました。こちらはこういう不況下だからこそ余計に積極的に融資をしなければならないということで非常に好感触でした。そこでさっそく申し込んでみることにしました。
融資の申し込みをするためには東京都知事の推薦書と言うものが必要です。広尾にある東京都生活衛生営業指導センターに申請に行くとすんなりと交付してくれました。
それを持って日本政策金融公庫へ。急いでいると言ったらとても迅速に対応していただきました。そして面接、審査を経て2週間後には融資の決定が下されました。
その他にもリースなどいくつかの方法を駆使して必要な資金を獲得する目処が立ちました。
そうこうしているうちに東京メトロさんからの回答が来ました。OKのようです。
やった~、これで開業ができるぞ~。
こうして開業への道のりがぐっと近づいたのです。
ではこの続きはまた次回に。
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