227km/108061km サンタエレナ-パライテプイ-リオ・トック-ベースキャンプ-ロライマ山-ホテル・サンフランシスコ-(40カ国、地域目 ガイアナ)-ホテル・コアティ-ホテル・サンフランシスコ-リオ・トック-パライテプイ-サンタエレナ
今回ブラジルから国境を越えてベネズエラのギアナ高地にやってきた理由、それはここにあるロライマ山に登るためです。
ここで少しギアナ高地について説明をしたいと思います。
大昔、地球にはパンゲアという1つの超大陸が存在していた。それが2億5000万年前頃から分裂し始めゴンドワナ大陸、南アフリカ大陸へと分裂していった。このギアナ高地はその分裂の際の回転軸の地にあった。だから移動することなくこの熱帯地方で気候変動の影響も受けずに太古の昔の姿を止めているのだ。
その姿とはいったいどういう物なのか?それを自分の目で見るためにこのロライマ山に登ってみることにしました。
4月23日にここサンタエレナに到着しました。そしてさっそくロライマへのトレッキングツァーを探し始めました。すると驚いたことに”今はロライマには登れないよ。例年は整備の為に1週間だけ閉山になるんだけど今年は今月1ヶ月間閉山なんだ。”だそうなんです。さーて困った。いろんな人に話をきいてもどうやら本当のようです。
あきらめて帰るか、それともここにあと1週間踏みとどまるか。自分は今までやるかやらないか迷った時にはできる限りやることにしてきました。やらないで後悔するよりもやって後悔する方が自分らしいと思うからです。そこで今回もやることに決めました。
ロライマ山は変わった形をしています。テプイ、又はテーブルマウンテンと呼ばれるこの山はその通り頂上がテーブルのように平たくなっているんです。山を上から見たのがこの図です。赤い線がロライマ山です。頂上の面積は250Km2、東京23区の半分にもなります。最高地点の標高は2723mです。この山は3国の境界にもなっています。この黒い線がその境界です。上がガイアナ、右の小さい部分がブラジル、そして下がベネズエラです。実際にはこの山の上に検問所がある訳ではないので自由に行き来できます。そしてこの山の北端部分は"The Prow"(船首)と呼ばれています。ここからの眺めがまた格別だというので是非ここをゴールにしたいと思いました。
この町にはツァー会社が何軒かあってどこでも5月初めから5泊6日のトレッキングツァーの募集をしていました。話を聞いてみると6日間のツァーではこの北端まで行くのは無理なようです。そこで人を集めて7泊8日のプライベートツァーを組むことにしました。いろいろと探して何とか5人集まって5月1日の出発が決まりました。
この図で黄色い線が今回トレッキングで行ったルートです。当日更に3人参加者が増えて8人となりました。
5月1日 サンタエレナを出て車で2時間程でロライマ登山の拠点となるパライテプイの村に着きました。いよいよトレッキング開始です。そこから山道を歩き始めました。それほどきつい道ではないのでハイキングの感覚です。出発時には晴れていたのですが途中でものすごい雨が降ってきてカッパを着ていたものの靴はもう中まで水浸しです。4時間程歩いて今日の目的地リオ・トックと言うキャンプ地に到着です。本当はこの次のキャンプ地まで行きたかったのですがこの先にある川が今日の川で増水して渡れないらしいので今日はここに宿泊です。夕方になるとテントの回りでポワッポワッと何か光りはじめました。ホタルです。無数のホタルが飛び交う姿は幻想的でした。標高1050m。
5月2日 今日は4時間かけてロライマの麓にあるベースキャンプまで歩きました。ロライマをいつも正面に見ながら歩くので少しずつ近づいて来るロライマに期待が膨らみます。標高1870m。
5月3日 今日は今回のトレッキングで一番きついロライマ登山の日です。朝7時に出発してまずはロライマの山肌まで。
そこからは”壁”と呼ばれるがけをよじ登るようにして少しずつ登っていきました。滝の下をずぶ濡れになりながら通り過ぎたりハチどりの出迎えを受けて元気づけられたりしながら4時間程で山の上までたどり着きました。
ここは標高2700mです。さて上に来た途端に風景が一変していました。何億年も前に作られた地形、人間が後から造ったんではないかと思われるような遺跡のような岩山、歩いていると不思議な感覚に囚われました。今日はホテル・サンフランシスコに宿泊です。とは言っても人間の住む世界にあるホテルなどはあるはずもありません。岩山の洞穴で雨風が凌げる場所をこの辺りの先住民達はホテルと呼んでいるのです。テントでの生活は太陽と一緒です。朝は日の出と共に起きて夜は日の入り後間もなく寝ます。大昔の生活はきっとこんなんだったんでしょうね。いや大昔どころかつい数百年前までこうだったんですよね。
5月4日 朝早く起きて外に出るといい天気。今日は頂上の平面を北上します。後から参加してきた3人は6日間なのでここでお別れして参加者5人、ガイド、ポーターの7人で進みます。頂上を歩いているとここが2700メートルの山の頂上という感じがしません。平面と言っても多少の起伏はありまた時には岩をいくつもよじ登って進みます。ここでは岩の形、はえている草花を見るとそれは今まで見てきた地上のそれとは明らかに違います。
クリスタルバレーにやってきました。ここはもう一面水晶で覆われていてキラキラ輝いています。もちろんこの水晶を持ち出すことは禁止です。
そしてここがトリプルポイントと呼ばれる3国の国境地点です。国境の碑があるだけですがこの山が3国の国境にまたがっていることの証です。ここで今回の旅の40カ国、地域目に当たるガイアナに入りました。
今日のテントはホテル・コアティと呼ばれる洞穴に張りました。昨日も夜はかなり冷えて寒かったのですがここは東側から冷たい風が吹き込んで夕方からぐっと気温が下がりました。テントの中で寝袋にくるまって寝ても寒くて夜中に目が覚めてしまって眠れませんでした。
ここでロライマで見た動植物を紹介します。見たことのない花やコケがたくさんありました。
これは食べられる草。このように葉を引っこ抜いてその根本を食べます。アロエのようなねばねばした食感でかすかな甘みがありました。
これらは食虫植物、厳しい自然の中で生き延びています。
動物はまずこの黒いカエル、天敵がいないせいでしょうか、ピョンピョン跳ぶことはしないでペタペタとのんびり這っていました。後で調べてみるとこのカエルは恐竜時代からの生き残りとされる原始的なカエル”オレオフリネラ”だそうです。
その他に数種の鳥、大きなトンボ、小さなクワガタ虫、とかげ、ゲンゴロウ、ちょうちょなどがいました。
5月5日 あいにく朝から雨。北端部分の"The Prow"(船首)に行くことを目標としていましたが、この天気では足場が悪く景色も何も見えないというのであきらめることにしました。
1人で洞穴から外を眺めていました。雨音以外には何も聞こえない静かな空間。その雨が止んでからもずっと見ていたらふと遠くで音がするのに気がつきました。ジーっと言うせみの鳴き声に似た高い音。それともうひとつ低音でウワウワと波打つ音が聞こえました。その二つの音が時々同じ波長になってまるでハーモニーを奏でているかのようでした。それをじっと聞いているとなんだか不思議な気持ちになってきました。自分が遠い昔に生きていた別の生物であるかのような、、、
その時です。目の前の岩山に突然虹が現れたのです。急いでシャッターを切りました。かすかに写る虹が見えますか?
それから晴れてきたので下界が見渡せるビューポイントに行ってみました。そこからの景色は正に絶景でした。
5月6日 今日は昨日やってきたルートを南下していきました。
ここでトラブル発生。一昨年ヒマラヤに行った時にも履いていた靴が泥沼にはまった時に底が剥がれてしまったのです。元々登山用の靴ではなかったのによく今まで持ちこたえてくれました。でも下山まではこの靴しかありません。紐でぐるぐる巻きにして何とか歩けるようにしました。
サンフランシスコまで戻って来てその近くを散策しました。
ジャグジーと呼ばれる美しい渓流やテプイの一部を見渡せる素晴らしい景色を楽しみました。
3人できれいな空を背景に記念撮影をしてみました。
5月7、8日 朝焼けが素晴らしくきれいでした。
いよいよ下山の日です。滑りそうになりながらまた急な斜面を降りていきました。やっとのことで山を下り降りた途端に靴は修復不可能になってしまいました。そこからは持ってきたビーチサンダルで歩きました。3日かけてやってきた道を2日で帰りました。
ガイドが作ってくれた食事はこんな感じです。全て町から運んで作ってくれた食事、どんなご馳走にも負けずとてもおいしかったです。
また山の上では自分のした大便も持ち帰らなくてはなりませんでした。このようにビニールに入れてバッグに下げて持ち帰りました。
村に帰り着いた時には痛いのを通り越して足の感覚がなくなっていました。
あっと言う間の8日間でした。苦労はたくさんありましたがそれだけに感動もひとしおでした。今はゆっくりと身体を休めたいです。人によってはヘリコプターをチャーターして登るのだそうですができることであれば自力で登ってこの大いなる自然との対話を楽しんでもらいたいです。
いつも思うのですが、やはりロライマにも感謝をしたいです。ありがとう。
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